役割分担の人生
2023年 06月 25日
最近になって思うのは、この世界は階級社会でも、階層社会でも、ちょっと前によく言われた勝ち組負け組の世界でもなく、役割分担の世界なんだということです。
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確かに、持てる者と持たざる者、奪う者と奪われる者、そういった対立が世間や自分たちの身の回りにはあることも事実です。また、経済的な格差や貧困問題があることもまた、疑いのない事実だと思います。
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しかし、そういった側面で自分の世界を捉えてしまうと、人生ってとてもストレスフルな毎日になってしまうと思います。何かしら足りないものや不足しているものについつい目がとまってしまって、不平や不満で満たされてしまう、そんな毎日が幸せな毎日だとはけっして思えません。
僕らは小さい頃から、それこそ小学生の頃から、大きな目標を持って生きることに価値があることを繰り返し教えられてきました。目標や夢は大きく持ちなさい、なんてことは学校の先生がよく口にしていた言葉です。
でも、果たしてほんとうにそうでしょうか。目標や夢は大きければ大きいほど良いものなのでしょうか。
小さな夢や希望では、人生はダメなのでしょうか。まだ手に入れていないものを思うより、今あるものに目を向けてそれを大事にすることが、その人の毎日をこれかからも充実させてくれることだって、きっとあるはずです。
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僕は、この世界は役割分担の社会であると思っています。自分には自分の役割がある。と同時に、他人には他人の役割がある。交わっても交わらなくても、人それぞれの役割がただあるだけで、そこに優劣はないと思っていますし、もちろん、勝ち組や負け組もない。自分自身が感じる役割を果たしていくことが、生きる意味に繋がっていくのだと思います。
他人から見れば、自分のやっていることは実際にはつまらない、些細なことに見えるかもしれない。でも、そのことの意味を決めるのは、他人ではなく自分です。どんなに些細なことに見えても、そこに意味や価値を見出せるかどうかは、全て自分自身で決めていいことです。自分の人生なのですから。
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僕らが若い頃は、そういうことを口にすると、よくそれは自己満足だとか、独りよがりな考え方だとか言われたものです。今の若い人たちはどうだか分かりませんが、とにかく僕らは若い頃からそのように批判されてきたものです。
では、自分の役割を見つけるにはどうしたらいいか。それは今自分が実際にやっていることに向き合うことだと思います。
まだ手に入れていないことではなく、今持っているもの、自分にあるものに目を向けてみるだけでいい。
そうすれば、そこに自分なりの意味や価値があったことに気付くと思います。実はそれが一番大事なことで、それこそが自分の役割なのかもしれないのです。そして、それに気付くことができたら、今自分ができることを繰り返していけばいいのです。
繰り返すうちに、また違った見方やこうすればいいということが、自ずと実感できてくるものです。
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そこで振り返って頂きたいのは、今手に入れていないこと、例えば金持ちになりたいだとか、社長になりたいだとか、そういった欲望があったとしても、実際に今、自分が何かの拍子に社長になったところで、その役割を果たすことはできないということが実感できるということです。もちろん、そこで社長になれると実感できるのであれば、それがその人の役割になっていくのでしょう。
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自分の分相応を自覚する、役割分担の中に生きる、それは今自分が持っていることに向き合い続けることで得られるもので、そういったキーワードで自分の人生を形成していくことが、これからの世界を幸せに生き抜くための、大きな鍵となってくると思います。