考える生き方のヒント       ~今、伝えたいこと~

hiroyan55.exblog.jp
ブログトップ

<   2017年 07月 ( 1 )   > この月の画像一覧


「うちはマッサージ屋ではないんで...。」
病院から退院後に在宅でのケアを始める際、
そういって他事業所からリハビリを断られた利用者さんがいる。

確かに、要介護5ともなると、リハビリでやれることは限られてくる。
家族からの要望が、関節が硬くなるのを防ぐROM-ex.のみであることも多い。
そうなれば、リハビリの内容はマッサージ的なものとなってしまうのかもしれない。

でも、それを理由にして断るっていうのは、正直どうかなと思う。
やはり、利用者や家族から望まれているのなら、その依頼は受けるべきだと思う。


利用者や家族は医療の専門家ではない。
マッサージとリハビリの違いについて、よく知らない人だって当然いるだろうし、
彼らの立場からすれば、そんな違いは、はっきり言ってどうだっていいだろう。

たとえ要介護5の方であっても、
臥床時のポジショニングや、誤嚥防止のためのアドバイス。
可能なリクライニング座位の時間や、医療的な注意点についてのアドバイス。
車いすに座れる時間ができれば、外出の方法について一緒に考える....。

初めはマッサージだけでも、
そこから僕らがやるべきこと、形にできる可能性はいっぱいある。


でも初めから僕らが、マッサージ依頼なんてそんなのリハビリじゃない、
そんな変な拘りを持っていたりすると、その可能性は拾えない。

拾えないことが、利用者や家族からも、どれだけ多くの希望を奪っているのかすらも、
分からなくさせてしまうのだと思う。


たとえば、
ベッドの上からでも、久しぶりに会いに来た孫たちと、同じ空間で過ごすことができた。
家族と一緒に、一度だけ梨狩りに出かけることができた。
週一回のリハビリの時間だけでも、家族と話す機会を持つことができた。
介護を通じて、親父のためにできることを精一杯やってあげられた....。

マッサージの依頼から始まった人でも、
最期まで、人間らしい生活を送ることのできた人はいっぱいいる。
そんな人を、僕は今まで何人も見てきた。

そして、そのお手伝いができたことは、
彼らの生活を支えることができたことの、何よりの証であると僕は思う。


僕らは対人支援の専門家だし、
利用者や家族の思い、そして価値に共感し共有することで、
一緒にそれらを何かの形にしていくのが、作業療法だと思う。

僕らの専門性は、彼らの思いや価値を形にしていく段階で初めて発揮されるものだ。
僕らの価値観が、それら全てに先立ってあるのではない。

それがちゃんと分かっていれば、「うちはマッサージ屋ではない」なんて、
そんな姿勢がどれだけ馬鹿げたものであるのかも、ちゃんと分かるはずだ。


僕らの専門性は誰のためにあり、誰のために使われなければいけないのか....。

マッサージを望んでいるのなら他を当たって下さいなんて、
そんな姿勢は、ただの自己満足だと思う。

b0197735_2104021.jpg









[PR]
by hiro-ito55 | 2017-07-04 21:02 | 医療・福祉・対人支援 | Comments(0)

作業療法士です。日頃考えていることを綴ります


by いとちゅー