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ラポール

患者さんや利用者さんとの信頼関係を築くという意味で、

僕らの世界でよく使われる言葉に、ラポールというものがある。

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信頼関係を築くために一番必要なのは、相手をよく知ることなんだけど、

「知る」と一口に言っても、世の中には色々な知り方というものがある。

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科学的に知るというのも知ることのひとつだ。

けれど、その人のすることに共感を覚えることや、共鳴するという知り方もある。

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何かに心惹かれること、感動を覚えることも、

それを知るという、僕らに与えられた大事な知性の働き。

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相手のことを知りたければ、

自分の知りたいというその気持ちを、何よりも大切にしなければいけない。

自分が相手のことを知りたいと思えば、その相手もまた、

ああ、この人はこういう人なんだなと、その人の中にも相手の姿が湧いてくる。

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そういう経験の積み重ねが、

互いの共感できるもの、共鳴できるものの姿を確かなものにしてくれる。

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利用者さんが、お箸の練習を必死に頑張っているのは、

手指の機能を向上させたいだとか、筋力を向上させたいからじゃない。

ご飯をお箸で食べたいからなんだ。

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僕らの専門性は、利用者さんの価値観を形にしていく上で発揮されるべきもので、

その価値に優先してあるものではない。

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そのことが分かっていれば、

作業療法は、利用者さんの価値に共感し、互いに共有しえたものを、

利用者さんとともにひとつの形にしていくことができる。

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相手を知るということは、自分の解釈に相手を引き入れることではない。

相手の側に降りて行って、迎え入れることだ。

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それが相手を知り、信頼を得るただひとつの方法だと思う。

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by hiro-ito55 | 2017-10-16 17:07 | 作業療法 | Comments(0)

作業療法士です。日頃考えていることを綴ります。


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