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外出の悩み


障害者総合支援法の地域生活支援事業の中に、移動支援というものがある。
障害を抱えた方が、円滑に外出できるよう移動支援を行うサービスのことで、
俗に言う外出支援のことだ。

僕の担当している患者さんの中に、このサービスを利用している女性がいる。
移動は車椅子による全介助である。

また、常に呼吸器を装着しているため、
安全面はもちろん、付き添う側は外出中はいつもモニターをチェックし、
呼吸状態に注意を払わなければならない。

だからどうしても、付き添ってくれる人から、
仕事でお供するという雰囲気が全面に感じられてしまうことがあるという。

彼女の場合、付き添いのヘルパーさんと二人で外出することがほとんどなので、
外に出かけることを楽しみにしている彼女にとっては、
そんなときに、外出自体が全然楽しくないものになってしまうことがある。
出かける前から、やっぱり止めようかなと躊躇してしまうことも多いようだ。


普通、僕らが誰かと一緒に出かけるとき、
一緒に連れだっていく人と楽しむことも、外出する目的のひとつに成り得る。
それが望めない場合は、一人で出かけることを選ぶだろうし、僕らにはそれが可能だ。

彼女の場合も、
もし一人で出かけられるんだったら、きっとそうしたいに決まっている。

けれど、外出には必ず誰かの介助を必要とするのだから、
彼女には一人で出かけるというその選択肢自体がない。

外出が、常に誰かと一緒でなければならないのなら、
それはお互いに楽しみながらのことでありたいと望むのは、当然のことだと思う。

たとえ一緒に出掛けてくれる人が、親しい友人ではなく介助者という他人であったとしても、
やはり同じように考えると思う。


呼吸器も付いていて、しかも移動が車椅子の全介助だと、
介助者側は、どうしても常に安全面に気を遣うようになってしまうし、
付き添いの間は一緒に楽しむ余裕がなくなるということも分かる。

でも、たとえば、「今日は一緒に楽しみましょうね」。
介助者側がそう一言言うだけでも、患者側の気持ちはずいぶん楽になるように思う。

それともそれは、介助されている患者側から言わなければいけないことなのか。
僕にはよく分からない。

僕らにとってはごく当たり前なこと、それをするために、
患者さんは、僕らが気付きにくいところで悩んでいることがあるということ、
外出を楽しみたいという具体的な彼女の思いを通して、僕はそのことについて考えさせられた。



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Commented at 2015-04-02 21:30 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by Aria at 2015-04-02 22:33 x
お久しぶりです☆
外出支援。とても大事ですよね!外出が億劫になってしまう人も多いようですし…。
特に呼吸器やモニターの管理があると慣れていない方は緊張してしまいますよね。
ヘルパーさんは『命を守る』という職務を背負うことになりますので、ご家族よりも負担に感じる場合もあるのかも。
ヘルパーさんは原則、医療的な管理は行えない(学んでいない)ので当然のことだと思います。
なので、医療職員は福祉職員が不安なくケアを行えるように、お客様と福祉職との間に入り、指導やアドバイスを行うことがとても大切だと感じています。
ヘルパーさんが外出を楽しめない原因は何か?不安を解消するためにはどうすればいいか?それを考え、改善してあげられるのは医療職のお仕事だと思っています。

また、外出中のモニター管理を(状態の判断が難しい)介護者のみに任せるのではなく、ご本人の認知が高いのであれば、ご本人が自己管理できる体制を作ることも大切だと思います。
ご本人の管理・チェック+介護者の管理・チェックになるだけでも、介護者の心理的な不安は減るはずですよ(^^)

上手くいくとき、いかないとき、、、日々色々ありますが、お客様の希望や夢を実現できるように、お互いに頑張っていきましょうね♪
Commented by hiro-ito55 at 2015-04-03 20:40
ぬか床さん、こんばんは(^・^)。
そうですね。僕らにとっては色々選択できることでも、障害を抱えてしまったという理由だけで不自由を感じてしまう。
そのもどかしさを少しでも解消していくのも、彼女に関わることのできる僕らの役割だと思います。
彼女は本心を語ってくれたのだから、これから看護師さんや他の専門職の方たちと、具体的な良い方法を考えていければと思っています。
Commented by hiro-ito55 at 2015-04-03 20:58
Ariaさん、お久しぶりです(^・^)。
おっしゃる通り。本当にその通りだと思います。

外出のこうした微妙な悩みは、彼女自身の問題であると同時に、ヘルパーさんや僕らの問題でもあるのですよね。
僕ら一人一人ができることには限りがあっても、自分や他の専門職たちの得手不得手もしっかり踏まえて連携していくという、チーム医療・福祉の基本が改めて問われているように感じています。

今の状態は、外出する当事者がお互いに不安だということなのですね。僕は僕自身の役割を自覚して、それを解消できるように行動していかなければなりません。

具体的なご意見、ありがとうございます。
Ariaさんの言葉で、また心を新たにできました(^_^)。
by hiro-ito55 | 2015-04-01 22:24 | 医療・福祉・対人支援 | Comments(4)

作業療法士です。日頃考えていることを綴ります


by いとちゅー