PTとOTの違いを上手く説明するために


理学療法と作業療法って、どう違うの?
って、たまに聞かれることがある。

特に僕の場合、看護師さんやケアマネさんから聞かれることが多い。
そのたびにあれこれと説明するけれど、
それが、ちゃんと相手に上手く伝わっているかどうかはアヤシイ。
きっと、僕の説明の仕方がよくないんだろうね...。


他職種の人から見たら、
理学療法士も作業療法士も、同じようにリハビリをする人たちだし、
ケアマネさんだって、両者を区別してリハを依頼するわけではない。

でも、ちょっと残念なのは、
サービス担当者会議の記録なんかを見ると、
僕の職種の欄に「理学療法士」って書いてあること。
いや、あるっていうか、正直今まで「作業療法士」って書いてもらった試しがない。

で、「僕は作業療法士です」と説明すると、返ってくる言葉が冒頭の質問。

変な誤解を恐れずに言うと、
理学療法士さんは、人の身体運動や動作の基礎を作る人たち。
そのために、運動療法や物理療法を駆使して、座位練習や立位練習、歩行練習などを行う。

作業療法士は、座れるようになったこと、立てるようになったこと、
或いは、歩けるようになったことで、その人が何をできるかに多くの着眼点を置く。

もちろん、理学療法士さんたちも、
作業療法士的な視点でリハを進める方もいるし、逆の場合もある。

現に訪問リハビリでは、
互いの分野がオーバーラップして仕事をしているPT・OTも数多くいる。

PT・OT両者が所属している職場ならいいけれど、僕みたいにOT一人の職場だと、
動作ができるようになったことでできる可能性を作り出す前に、
座位練習や歩行練習を行わなければならない場合も多いので、
上記のような棲み分けに拘ると、在宅リハとして成り立っていかない。

そういう事情が、PT・OT両者の区別を困難にしているとは思うけれど、
そういった事情を作り出している根本には、
僕らの仕事が業務独占ではなく、名称独占にあるのだということにある。

例えば、手術や薬の処方箋を出すのは、医師にしかできない仕事。
僕らがそれを行うことはできないし、やってしまったらそれは犯罪になってしまう。
これが、業務独占と呼ばれるもの。

名称独占とは、
例えばAさんという理学療法士が歩行練習を行えば、それは理学療法となる。
そして、同じことをBさんという作業療法士が行えば、それは作業療法ということになる。

つまり、
Aさんが行うから理学療法になるのだし、Bさんが行うから作業療法になるのであって、
たとえそれが同じ内容のリハであったとしても、その名称を勝手に変えることはできない。

そして、
AさんBさんは、それぞれ理学療法・作業療法という名称を独占しているのだから、
例えばAさんが作業的なリハを提供しても、それを作業療法としてしまうこと、
そういう逆の場合も、不可ということになる。

これが、名称独占と呼ばれるもの。

理学療法士だから、作業的なリハの提供を禁止されているのではなく、
或いは作業療法士だから、歩行訓練を行ってはいけないのではなく、
両者の立場によって、それぞれの名称が変わってしまうという事情が、
他職種から見た場合に、その区別を分かりにくくしているように思う。

実際に僕の場合でも、PTさんから学ぶことは多いし、
仕事の面で、それを参考にさせて頂く場合も数多くある。

でも、僕が行うからそれは作業療法になるのであって、
それが理学療法ではないことは、名称独占によって担保されているということ。

それを他職種の方に理解して頂くためには、
こういう特異な事情があることを、上手く説明できるようにしなくちゃいけない。
僕ら自身が自分たちのアイデンティティーを知るためにも、それは必要なことだと思う。


*2016/09/05 この記事について補足しました。
 ⇒(補足)―PTとOTの違いを上手く説明するために―』 



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by hiro-ito55 | 2014-10-13 18:06 | 作業療法 | Comments(0)

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