考える生き方のヒント       ~今、伝えたいこと~

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長い廊下の向こう側


僕は訪問リハビリという仕事をしていますが、
この前、お世話になっているケアマネさんから、新規のリハ依頼を受けました。

ステーション宛てに詳しい情報を送ってもらうと、
その依頼のあったお宅は、車で40分近くかかる場所。

所長と相談し、
ちょっと遠いかもと感じながらも、お引き受けすることにしました。

地図で場所を確認して、
実際にいざ行ってみると、所要時間はやはり予想通りの40分。

今回に限らず、訪問リハには次の利用者さん宅に伺うまで、
その間に、数km単位の移動距離や、
数十分単位の移動時間が発生する場合があります。

僕の場合、
それを煩わしいと感じたり、
移動によって掛かる距離や時間によって、
自分自身のモチベーションが左右されたりすることはない。

だって、
在宅で訪問看護や訪問リハの依頼を掛けるということは、
病院や施設でいえば、患者さんがナースコールを押すこと、
それと同じこと
だと思うから。

利用者さんやご家族は、
ケアマネを通じて、きっと必死の思いでそのボタンを押している

プロであれば、僕らにはそれに応える責任があるのは当然のこと。

だから、
病院や施設のナースステーションやリハ室から、患者さんの病室に向かうことと、
訪問看護ステーションから、利用者さんのご自宅に伺うこと、

この二つは同じことで、
ただその間に、渋滞や脇道や抜け道がいっぱいあるというだけで、
言うなれば訪問看護ステーションからの道中は、
病院や施設の中にある廊下のようなもの


街全体が長い廊下で結ばれていると考えれば、
コールや依頼があったときに、そこを通って駆け付けるのは当然のこと。

だから、
移動時間や距離など、僕には全く苦にならない。


ですが、利用者さんの中には、
こちらの移動に掛かる時間や手間にまで気を遣って、
毎回、遠慮がちにサービスを受けられる方がいらっしゃいます。

医療を提供する側とされる側の関係性が、そうさせているのかもしれませんが、
僕個人としては、そんなことにあまり気を使ってほしくはない。

それよりも、
利用者さんやご家族のワガママを、もっと引き出していきたいし、
それを引き出せる自分でありたいと、いつも思うのです。

ワガママを引き出せないようなサービスでは、
利用者さんが、医療従事者の都合に合わせているだけで、
多分、本当に良いサービスであるとは言えない

以前書いたように、対人支援の基本は、
僕ら専門職が良いと思うものをまず提供していくのではなく、
利用者のよいと思うもの、或いは、利用者の潜在能力を上手く引き出すこと、

それを支援することにおいて、
僕らの専門性というものは発揮されるべきものだと思うから、

利用者さんのワガママに振り回されることは、
出されたワガママを、けっしてそのまま聞き入れるということではなく、
利用者さんと共に考え、悩むということだと思っています。

こういう仕事を通して、
そういった繋がりを継続していけることを、対人支援と言うのだと思うし、

長い廊下の向こう側に、そういう出会いがあることが、
自分の最良のものを提供するためのモチベーションにも繋がっていく...。

それは、
生かす側と生かされる側というものが、
支援する側とされる側の間に、固定されて在るではなく、
お互いに、生かし生かされる現実という機会を持つことで、

その機会は大げさに言えば、
相手と共に生きていくための態度、
その切っ掛けを見つけ、それが損なわれないように幾重にも編み込んでいく作業

そういうことなのかもしれない。

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by hiro-ito55 | 2013-06-05 00:37 | 医療・福祉・対人支援 | Comments(0)

作業療法士です。日頃考えていることを綴ります


by いとちゅー