考える生き方のヒント       ~今、伝えたいこと~

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支援ニーズの要求と必要性


僕ら作業療法士は、人の価値を知ることとは別に、
形としては、人の活動を(再)支援する仕事だと言えます。

ですから、僕らは、
支援していく活動を評価するのと同時に、
人を活動していくように導くことに、その存在価値を見出す
と、一応の形としては言えるかもしれません。

対人支援の基本は、
僕ら専門職が良いと思うものをまず提供するのではなく

利用者のよいと思うもの、
或いは、利用者の潜在能力を上手く引き出すこと


それを支援することにおいて、僕らの専門性は発揮されるものです

そういう基本に立って考えてみれば、
利用者と直に向き合う時間を大切にして、

そこから、
僕らがどれだけ多くのものを感じ取れるかが、
対人支援においては重要となってきます。

ごく単純に言ってしまえば、
それは支援ニーズの発掘と、それを調整する作業
ということになろうかと思います。

支援ニーズには、大きく分けて ①要求 ②必要性 の二種類があり、

要求とは、
こうしてほしい』『ああしてほしい
または、『こうしたい』『ああしたい』という、
本人発の支援ニーズのことです。

必要性とは、
本人は支援してもらいたいと感じてはいる
それが伝えられなくて困っているかもしれないもの
或いは、感じていても
本人だけでは如何しようもできない状況にあるものです。

要求必要性どちらにも、
本人のはっきりとした意思が隠されています
が、

本人が『困る』と感じることができなければ、
そもそも支援ニーズというものは成り立たない
ので、
重要なのは、本人の支援ニーズへの『気付き』にあります


また、僕らが日常的に参考にしているICFは、
活動理論モデルにしてはいますが、

支援ニーズの中には、
安静安らぎの、時間を提供してもらいたい
というものもあります


実際に、デイに通う利用者さんの中には、
午前中は、縁側で畑や景色を眺めながら過ごして
美味しい昼食を食べた後は、昼寝でもして静かに過ごしたい
という方もいらっしゃいます。

デイに通うときぐらいは、
『あれをやりなさい』『これをして下さい』などと、
他人の干渉を受けたくない
というのです。

ですので、
支援ニーズ要求必要性の中にも、活動安静があり、
そこにも、本人のはっきりとした意思が隠されているのです

ちょうど、様々に絡まった糸の中から、一本だけ引っ張ると、
結び目が、余計に硬くなっていってしまうこと
があります。

それと同じように、
僕らは、単純に活動を推進するのではなく
まずは、これら支援ニーズを、しっかりと受け止める必要があるのです。

つまり、
支援ニーズを受け止める段階から、僕ら対人支援職にとって重要なのは
利用者本人に、清く正しい生活をしてもらいたいと要求するのではなく

その人なりの社会生活を営む上で
その人なりの支援ニーズを、上手くコントロールしていくことにある
と言えるでしょう。

そしてそれは、
人の価値を知ることと、次元の異なる話であるということにも
実は、注意が必要なことと思っています。

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by hiro-ito55 | 2013-01-13 20:45 | 医療・福祉・対人支援 | Comments(0)

作業療法士です。日頃考えていることを綴ります


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