増え続ける有料老人ホーム


有料老人ホームの数が急増している。⇓⇓
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        (内閣府消費者委員会資料より抜粋)


現在、
全国で特養入所者約44万人
有料老人ホームとその他の施設・居宅系サービスでは約50万人
高齢者向けバリアフリー住宅では約10万人いる、
とされています。

また、平成20年10月現在で、
特養、老健、介護療養型医療施設
いわゆる介護保険3施設が、
全体で約83万人入所者を抱えています。

その中で、
特養入所申込み者数は、約42万人(平成21年12月現在)。
入所者数とほぼ同数です。

特養以外にも、老健や介護療養型医療施設に入れない人が、
恐らく相当数いるものと思われます。

有料老人ホームの数が急激に増加したのは、
平成18年の老人福祉法改正で、
老人ホームの定義が緩和された影響もあるかと思われますが、

特養の入所者数と入所申込み者数が、ほぼ同数である現状を鑑みても、
この急激な増加は、
老人ホームへの需要の高まり自体が進んでいる影響推測できます。

そして、今後この傾向
しばらくの間は続いていくのではないかと考えています。

例えば、今年の介護保険法の改正で、
老健在宅復帰支援機能の強化型が示され、
その基準を満たした老健に算定される加算が優遇されることから、
今後は、老健の生き残りをかけた競争激化していくでしょう。

しかし、
以前の記事でも触れたように、
今回の改正では、見せかけの在宅復帰増える可能性がある
という問題点もあります。

それとは別に、
在宅復帰の見込みが低いと判断される対象者
重度の要介護者や、家族からの介護支援が困難な対象者など)は、
老健への入所を敬遠されていく可能性が高まることも、
今後の問題点として浮かんできそうです。

つまり、利用者の差別化を進める
そういった動きの温床になる可能性があるということですが、

恐らく、個人的には、こういった人たちを対象に、
今後の老人ホーム需要が増えていくと予想しています。


また、現状をみると、
老人ホームの「設置主体」は株式会社民間企業が中心です。

老健や他の施設を抱える医療法人も、老人ホームを新設して、
そこに在宅サービスを展開させていくという動きも出てくるでしょうが、

問題は、そのような営利目的複合型抱え込み型経営というものが、
サービスの偏りを生み出すのではないかということです。

本来ならば、同じ30分未満のサービスであれば、
訪問看護ではなく訪問介護でも十分であるはずが、
算定できる加算の違いから、訪問看護優先的に配置する。

利用者にとって本当に必要なものではなく、
加算の大きいものをサービスとして提供するのであれば、
それはサービスの質の低下をも招きかねません。

いずれにしろ、このような流れの中で、
差別化も含めて、利用者が喰い物にならないような在り方
今後、検討していくべき課題になっていくと思います。


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by hiro-ito55 | 2012-06-12 01:58 | 医療・福祉・対人支援 | Comments(0)

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