PDCAサイクルを使ってみよう!(前)
2012年 02月 12日
前回、『チームアプローチには纏まった動きが必要』の中で、
組織として業務改善に取り組むことへの重要性について
少し触れました。
前回述べた通り、
今回は、その 『仕掛け』 の部分を、
PDCAサイクルを手掛かりにして、考えてみたいと思います。
これは、先日 『事故防止のための計画提案』
として、現場に提出させて頂いたものなのですが、
ここで言うPDCAとは、
P:Plan(計画立案)、
D:Do(計画に基づく具体的行動)、
C:Check(具体的行動の評価・改善)、
A:Action(改善した方法の具体的行動)
の頭文字のことで、
これをひとつのサイクルとして捉えたものが、
PDCAサイクルと呼ばれるものです。
これを図で表すと、以下のようになります。
PDCAサイクルは、
元々は、一般企業の事業活動における生産管理や品質管理などの
管理業務を円滑に進めるための手法のひとつで、
日本では、
1990年代にISOシリーズと呼ばれる、
品質マネジメントシステム関係の国際標準化規格の導入で、
有名になりました。
これを、『事故防止のための取組み』 を例にして、
介護現場でも応用することができないか、
少し考えてみました。
まず、前回述べた通り、
僕の職場では、介護部長をトップに利用者を四つのグループに分け、
それぞれのグループに職員を配置し、担当させています。
この四つの各グループを、最小単位の組織として捉え、
まず、その組織内(各グループ内)での行動に
PDCAサイクルを起こします。(第一段階)
そして次に、
その最小単位のサイクルをグループ間同士の、
つまり、もう一段大きいサイクルに変えていきます。(第二段階)
これを繰り返し、
いかに事業所全体としての取り組みに繋げていけるかを、
考えてみたいと思いますが、
少し長文となってしまったので、
今回は 『第一段階』 について書いてみます。
第一段階:各グループ内での実施(小さなPDCAサイクル)
①P:Plan(計画)
・食事介助、移動介助、排泄介助など、個々の介助方法について、
分からない部分や、今の自分たちのやり方では危険であると思う部分を、
各グループ内で話し合い、問題意識の共有化を図る。
(この時点では、具体的な解決方法まで考える必要はない。)
・共有化が図れたら、それを纏めて介護部のトップに提出。
・介護部トップに提出したらそれでグループの役割は終わりではなく、
グループ内でも、個々の介助方法についての分からない部分や、
危険であると思う部分について、勉強会を開く。
・もしくは、各個人で勉強会に出席したり、調べたりして、
グループ内で知識や問題意識レベルの共有化を図る。
(途中経過などは介護部トップに報告し、ある程度の期限を決めて実施。)
・そして、共有化できた知識や方法の中から、すぐに実施できそうなもの、
或いは優先順位を決めていく。
このPlan(計画)の段階では、
何よりもまず、グループ内での問題意識の共有化を図ること
を、優先させなければなりません。
そうでなければ、後の行動全てが
個人プレイに繋がってしまう危険があります。
PDCAサイクルを、組織として進めるに当たって、
もっとも重要な段階と言えるでしょう。
②D:Do(具体的行動)と C:Check(行動の評価・改善)
・共有化で得られた知識や方法を、実際の業務において、
自身のグループ内の利用者を対象に、具体的に実施する。
・その際も、常に出てくる問題点や、
行動することによって生じた改善点を具体的に洗い出し、
グループ内で自己チェックを繰り返し行いながら実施する。
(チェック内容は、より具体的である方がスムーズに動ける)。
・そして、ある程度、それらが纏まった段階で、
介護部トップにその内容を報告。
⇒各グループと介護部トップの間で、具体的な問題点や改善点の共有化
③A:Action(改善した方法の具体的行動)
・改善できた方法があれば、それを継続的行動へと移す。
・この段階で、どうしても上手くいかない場合、或いは改善点がなければ、
初期の段階で、根本的な問題があると思われるので、
「①Plan」へ戻り、再び②、③へと進む。
・細かな修正であれば、
「②D:Do(具体的行動)と C:Check(行動の評価・改善)」の
サイクルの繰り返しであってもよい。
これらを分かりやすく図で表すと、
以下のようになります。
これを踏まえ、
次回は、『第二段階』 について書いてみます。
by hiro-ito55
| 2012-02-12 17:15
| 医療・福祉・対人支援
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