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維持期リハに用意された短時間利用枠

すっかりチェックするのを忘れていましたが、
『第88回介護給付費分科会資料』 が発表されましたね。
     ↓↓
『第88回分科会資料』


今年、自分と関係のありそうな部分を中心に、
これから詳しく見ていこうと思いますが、

それと関連して、気になるのは、
今年の医療・介護保険同時改定に先立って開催された、
昨年の12月7日の『中央社会保険医療協議会の総会』における内容
     ↓↓
『脳血管疾患、運動器の維持期リハは「ふさわしい評価」に(~CBnews~)』


内容は読んでいただければ分かると思いますが、

・疾患別リハのうち「脳血管疾患等」と「運動器」の維持期のリハビリに関して
 は、12年度の報酬改定で「ふさわしい評価」に見直す
・維持期のリハビリについては介護保険での対応を徹底する方針
・12年度改定後は医療による維持期リハビリの必要性を検討
・「維持期のリハビリテーションを医療(保険)でみるのは、
 原則的には次回(14年度)の改定までとさせていただく」
 (厚労省保健局の鈴木康裕医療課長)
・維持期のリハビリは現在、月13単位まで医療保険での算定を認められている
 が、厚労省では、これが介護保険への移行を阻んでいるとみている
・「このまま何もしないでいれば、介護への移行は永久に進まない」
 (厚労省保健局の鈴木康裕医療課長)


といったものです。


背景には、
膨らむ社会保障給付費(年金、医療、福祉その他)の中で、
医療給付費増大1970年:2.1兆円⇒2007年:31.0兆円
抑えたいという思惑があるのは、周知の通りです。
(注:数値は「国立社会保障・人口問題研究所」発表のもの)

また、
中医協の行なった調査によれば、( 『資料(総-1-1)』
維持期のリハビリが介護へ移行できない理由』 として、
維持期のリハビリは現行の13単位内で提供出来るから
62.2%と、もっとも多く、

次いで、
患者にとって、医療から介護へ移行することに対する
心理的抵抗感が大きいから
」が28.7%
通所リハビリでは個別のリハビリが受けられないから」が、18.2%
通所リハビリではリハビリの質が不明であるから」が、15.0%
と、なっています。

こういった患者側の実感や、心理的傾向を踏まえ、
厚労省としては、
短時間で個別リハビリだけを受けて帰れる利用の仕方
推進していく、

という青写真を描いているようです。


その証拠に、
前回の介護保険改定では、
通所リハビリの利用時間枠に『所要時間1時間以上2時間未満
が設けられ、

今回の改定でも、
所要時間2時間以上3時間未満』の時間枠が、
新たに設けられる予定です。


訪問リハや訪問看護が
なかなか普及していかない現状も踏まえると、

もし、
厚労省保健局の鈴木医療課長の発言そのままに
流れが推移していけば、

「脳血管疾患等」と「運動器」の維持期外来リハを行なっている
各地の診療所クリニックの多くは、
この2年以内に、デイケア(通所リハ)化が図られる計算となります。

そして、多くの診療所が、
3時間未満の短時間利用型』に流れることを、
計算していることになります。

今回の介護保険改定(予定)でも、
医師の常駐の必要のないデイサービス(通所介護)には、
3時間未満の利用枠が認められていない差別化が図られているのは、
そういった思惑があるのでしょう。
(参考:(別紙1)指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準 )

しかし、
介護保険制度には、区分限度支給額というものが設定されています。

介護・福祉用具の貸与や、ホームヘルパーの利用などで
支給限度額に達してしまえば、これがネックとなって、
通所リハの利用までには至らないケース予想されます。

そういうケースが多く出た場合、
果たして厚労省の描く青写真通りに、事が運ぶのかどうか、
これからの流れを見極める必要があるでしょう。


それにしても、
いくら社会保障給付費膨らむ一方にあるとはいえ、

その原因を、患者や医療従事者の責任と言わんばかりの
厚労省保健局医療課長の発言は、
些か高飛車な態度に映ってしまいます。







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by hiro-ito55 | 2012-01-29 16:33 | 医療・福祉・対人支援 | Comments(0)

作業療法士です。日頃考えていることを綴ります


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