考える生き方のヒント       ~今、伝えたいこと~

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未だ移行期

前回の記事、『甘~い人々』 に、
チョッパーさんという方から、次のようなコメントを頂きました。

いとちゅーさん、はじめまして。
私の職場にも、自分に甘い人というか、
ちょっと勘違いしているような人がいます。

どう勘違いしているかというと、
「昔の曲」(回想法のつもり?)を流しながら、
利用者の前でやたらと大声でテンションを上げてリハをするのです。

話の内容も表面的なことばかりで、
とても利用者の気持ちに立っているとは思えません。
実際、効果が上がっていると思い込んで満足しているのは、
本人だけです。

本人は「楽しむこと」を提供するのが、
認知症のリハだと思い込んでいるのですが、
まるで中学生が昼放課にはしゃいでいるみたいに
ただやかましいだけで、

同じ訓練室でリハをすると、
利用者の声が聞き取れず、コミュニケーションに支障を来たすほどです。

リハを覗きに来た看護師やケアの方からも、
「リハは楽しそうでいいね。」などと、嫌味を言われます。

こんな人が自分の主任かと思うと、
同じ女性として、リハ職としてすごく恥ずかしいです。



チョッパーさん、ありがとうございます

このコメントを読ませて頂いて、
他人事ではないような気にさせられました。

僕の職場の上司も、こういう方なのです。

チョッパーさんの上司も、僕の上司も、
甘いというか、え方が少し古いのかもしれません。


介護保険制度が始まる前、老人保健施設では、
集団レクメインに、リハを行なっていたところも多いようです。


個別でのリハがなかなか充実しなかった理由として、

リハ人員確保の困難さと、
制度上、個別加算が義務付けられていなかったこと、

また、施設管理者側の理解不足のため、
訓練室の場所施設の片隅に追いやられたり、
物品が揃えられず使いにくかったりしたこと

が挙げられるでしょう。

その中で、より多くの利用者リハを体験してもらうためには、
集団でやらざるを得ない事情がありました。

集団で行なう以上、どうしてもレク的な要素が強まり、
個別のときよりも、利用者との接触は希薄になってしまいます。

その代り、
リハを提供する側には、『元気よく』 『明るく
という要素が求められていた というのは、
諸先輩方から伺った話です。

リハ職としては、実に穏やかな時代であったようです。


しかし、
2000年4月介護保険制度が始まり、
個別でのリハは必須とされ、
このようなリハの在り方自体も、見直されていきました。

介護保険制度が始まって12年近くになりますが、
チョッパーさんの上司も、未だその穏やかな時代から抜け出せず、
その感触を引きずって、仕事をしているのかもしれません。

そういう意味で、
リハの現場は、未だ 『移行期』 にあるような気がします。


僕がまだ駆け出しの頃
職場のある先輩は、次のように漏らしていました。

個別リハ生活リハと言われるが、
我々リハ職は、一日に20分訓練を行なって、
残りの23時間40分は、利用者を診ていない
なら逆に、まずは与えられた20分
利用者が与えてくれた時間』、と考えようじゃないか。

そうすれば、その時間が、いかに重要な時間か分かる筈で、
我々は、その限られた時間の中で、利用者が何に悩み
何を必要としているかしっかりと見極めて考える必要がある

20分を 『元気よく』『明るく』 だけではなく、
利用者の24時間想像できるような、
そんな20分にすることが我々の務めで、
そのためには、利用者の言語・非言語に表現されるものを、
しっかりと受け取ってやれる時間にしなければならない。

そういう風に、
利用者が与えてくれた20分を充実させることが、
まずは、大事なんじゃないだろうか。



たいへん深い言葉だったので、
今でも一言一句、はっきりと覚えています


確かに、一時的に多くの利用者を見てくれれば
業務効率という面ではよいし、
その意味で、
集団で 『明るく行なうリハ』 も、時には必要だけれど、

リハを受ける側、或いは提供する側としては、
相手が何をしてほしいのか相手はどう思っているのかを考え、

その上で、自分が何をするべきか
深く考え、実行できる人仕事をしたいものであるし、
また、受け持ってもらいたい と思っているものです。

それが、
現場で本当に求められる人財 だと思います。

チョッパーさんの上司も、
それに気付いていただければよいのですが...。

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Commented by チョッパー at 2012-01-09 22:50 x
いとちゅーさん、ありがとうございます。
大変、参考になりました。

確かに、うちの主任、考え方が古いのかもしれません。
「BPSD」のことを、未だに「問題行動」と呼んでいるし...。
あと、他の同僚にも聞いてみましたが、
「中学生みたいにやかましい」と感じているのは、私だけではないようです。
ただ、主任だから何も言わないだけであって...。

少しモヤモヤが晴れましたが、
誰からも注意されないって、実は悲しいことなのかもしれませんね。

今、私の友人の間でも、
いとちゅーさんのブログは、ちょっとした話題になっています。

これからも拝見させていただきます。
私もガンバリますが、いとちゅーさんも頑張ってください。
Commented by hiro-ito55 at 2012-01-09 22:56
チョッパーさん、わざわざコメントして頂き、
ありがとうございます。

チョッパーさんのように、
悩みながら自分を磨こうと努力する方がいるからこそ、
自分も頑張れるのです。

僕の方こそ、これからもよろしくお願い致します(^_^)。
by hiro-ito55 | 2012-01-09 15:23 | 医療・福祉・対人支援 | Comments(2)

作業療法士です。日頃考えていることを綴ります


by いとちゅー