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国内の電力供給不安

九州電力は、25日に玄海原発4号機が定期検査入りし、
全ての原発が運転を停止したと発表しました。

以下は、NHK(Web版)の記事の抜粋です。

玄海原発4号機の停止によって、国内の原発は90%近くが止まるという
異例の状態で本格的な冬を迎えることになります。

電力会社ごとに見ますと、すべての原発が止まっているのは、
東北電力の4基、中部電力の3基、北陸電力の2基、日本原子力発電の
3基となっています。

また、関西電力では、今月16日、
福井県にある大飯原発2号機が定期検査のため停止し、
原発11基のうち10基が止まっています。

一方、運転の再開に向けては、
再開の判断の前提となる安全評価「ストレステスト」が、
定期検査で止まっている各地の原発で実施され、
これまでに北海道電力、関西電力、四国電力、
それに九州電力の8基のテストの結果が、
国の原子力安全・保安院に提出されています。

しかし、原子力安全・保安院の審査が終わったケースは1つもありません。
また、運転を再開するためには、
地元の自治体の了解を得なければなりませんが、
自治体の多くは、再開に慎重な姿勢を崩していません。

運転を続ける国内の6基も、来年1月以降、
春までに順次、定期検査で停止する見通しで、
運転を再開する原発がなければ国内のすべての原発が止まることになります。



東日本大震災での東電福島第一原発事故の影響を受けて、
今、国内では電力供給の在り方について
見直しの気運が高まりつつあります。

北海道から沖縄まで、国内には九つの電力会社がありますが、
かつて日本には七百の電力会社があったそうです。

1920年頃の話ですが、
その頃の日本の人口が約6,500万人ですから、
凡そ人口十万人弱で、ひとつの発電所があった計算になります。

日本の電力会社の歴史を見ると、
1887年に発足した東京電燈株式会社が、国内最初の電力会社で、
東京日本橋から電気の送電を開始しました。

その後、各地に電力会社が創設されていきますが、
大正末期には急速に電力会社の統合が進み、
東京電燈東邦電力大同電力宇治川電気日本電力
五社に絞られていきます。

戦時中は、日本の電力は日本発送電九配電会社
二社による国家統制の体制下に置かれました。

現在の九電力会社体制になったのは、戦後のことです。

その間、電力会社のエネルギー源は、
水力、石炭、石油、原子力という流れで推移してきました。

エネルギー源が石油であった時代に、オイルショックがあり、
石炭が見直された時代もありましたが、
時代の流れから、
その見直しの気運も一時的なもので終わってしまいました。

今は福島第一原発の事故で、
原子力発電の見直しが起こりつつあります。

今回のように、国内の原子力発電所の活動順次止めていくと、
それに代わる発電方法が必要になってきます。

原子力発電への不安が高まる中、
エネルギー源は何かに大きく偏るのではなく、
多様化した方がよいということが、
これから段々と分かってきます。

そのひとつとして、
石炭をエネルギー源とした火力発電所を、
もっと作ってはどうかと思います。


化石燃料可採年数
その年の生産量で、これから何年採り続けることができるか)は、
BP2006によれば、
石炭155年石油40.6年天然ガス65.1年となっています。

また、地域別の埋蔵量でみれば、
石油60%以上が中東で確認されたもので、中東依存の傾向が強く、
石炭は、北米、欧州、アジア太平洋の3地域に
それぞれ約30%ずつ埋蔵されています。

天然ガスは、中東に約41%欧州及び旧ソ連に約34%であり、
この2地域に埋蔵が集中しています。

つまり、現在考えられる化石燃料のうちでは、
石炭最も長く取り続けることができ、
且つ、その可採地を特定の地域に依存しなくてもよいということで、

可採地の確保の両面において、
最も安定した供給が可能であるということです。

もちろん、石炭を燃やせば亜硫酸ガスが発生し、
気管支喘息気管支炎などの障害を引き起こす可能性があるので、
その点は十分に配慮しなければなりませんが、

原発事故による放射能汚染と比べれば、
技術的な対処が可能である筈です。

そして、国内での雇用国民生活を考えれば、
火力発電所は現在の九つの電力会社に任せるのではなく、
地元の企業で行えるようにすればよい。

小さな発電所をたくさん作って、そこで地元の雇用を生み出し、
地域への電力供給という形で還元させていけば、
安定した産業となるでしょう。

今とは国民一人当たりの電力消費量も違うとは思いますが、
かつて日本には全国七百の電力会社があり、
石炭による発電だけで6,500万人の国民生活を賄えていたのだから、
やってできないことはない筈。

原発が止まる』 という不安煽るだけでなく、
また、そこから 『原発が止まったら不便でしょ?だから必要ですよね
と、原発依存型のエネルギー供給を、単にこのまま継続させるのではなく、

そろそろもっと具体的な形で、
これからのエネルギー供給の在り方について、
話し合う時期にきているのではないでしょうか。







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by hiro-ito55 | 2011-12-26 18:05 | 社会 | Comments(0)

作業療法士です。日頃考えていることを綴ります。


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