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南極大陸

木村拓哉主演、日曜劇場 『南極大陸』。

来週最終回ですが、僕も毎週楽しみにして観ています。
あぶ刑事』 の頃から柴田恭兵の大ファンなので...(^_^;)

このドラマは実話を題材にしたフィクションですが、
日本がんばれ』 という、
メッセージ性の強い作品だなと感じています。


調べてみると南極観測は、
当時、敗戦国日本復興を掛けた
一大プロジェクトであったようで、

観測船宗谷出港の日(昭和三十一年十一月八日)には、
東京晴海埠頭一万人の人が
見送りに集まったそうです。

舞台は昭和三十年代の日本。
現代から見れば、やや牧歌的な雰囲気の漂うこの時代、

敗戦国日本の誇りを取り戻そうと、
南極観測のために、全国から千社以上企業が参加し、

また、朝日新聞などが紙面で一大キャンペーンを張ったことで、
大人から子供まで、
全国十万人以上の方々から、募金も寄せられたようです。

南極観測のため、ブリュッセルで開かれた国際会議の場で、
日本に割り当てられた観測地点は、
南極東部のプリンス・ハラルド海岸

この場所は、それまでにアメリカイギリスなど、
当時、戦勝国と呼ばれていた国々が何度も接岸を試みて、
結局一度も成功したことのない場所で、

接岸不可能と呼ばれていた場所でした。

しかし、日本はこの不利な条件の下、
一度目の挑戦で接岸に成功し、
そこに観測基地まで建設してしまう。

しかも、そこで隊員が一年間越冬し、
数々の観測データを持ち帰ることに成功。

思えば、昭和五十九年、僕がまだ小学生だった頃、
世界初オゾンホール観測したのも、
この昭和基地でした。

その前年には、高倉健主演で 『南極物語』 も上映され、
僕の通う小学校では、
掃除の時間に、そのBGMが流されていたのを覚えています。

しかし、
僕らの世代が、もの心がついた
ちょうどその頃からでしょうか、

国民的規模の夢、
つまり、世代を跨いで共有することが可能な夢を、
一つの物語として描くことができる

そういう機会が少なくなっていったのは。

東京オリンピック』 『大阪万博』 『カラーテレビ』 
力道山の活躍』 『新三種の神器』....。

これらは皆、僕らの生まれる前の出来事です。


以前の記事で 『生きるとは語らうことだ』 
というようなことを述べましたが、

国民的規模で共通の物語を語れることは、
時に大きな力になります。

東日本大震災から九ヶ月。
震災前と震災後では、エネルギーの使い方から人との関わり方まで、
微妙に変化していくでしょう。

そして、
ここにも復興に向けた数々の物語が、息づいていると思います。

経済、スポーツ、文化....、
未来に向けて、
世代を跨いで共有できるような物語を、もし作ることができれば、

それがどんな物語であったとしても
それはきっと、大きな力になる気がします。

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by hiro-ito55 | 2011-12-14 00:39 | 社会 | Comments(0)

作業療法士です。日頃考えていることを綴ります。


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