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ダブルバインドの落とし穴 (前) 

例えば、家庭内において
親が子供に 『こっちへおいで』 と誘っておいて、
いざ子供が親の元にやってきたとき、

例えば、子供の手が汚れていた
或いは、途中で子供がテーブルの上のコップをひっくり返してしまった
そんな理由で親がとても嫌な顔をしたり、叱ったりする

子供としては、親に 『おいで』 と呼ばれて
喜んで親の元に寄っていったのに、
結果として親に不快な思いをさせる。

だから子供は親に 『ごめんなさい』 と謝る。

親はそれに対して 『手を洗ってきなさい』 と命令したり、
不愉快さを態度で示しながら
ひっくり返ったコップを拾い上げ、
床の掃除を始めたりする。


このような、ひとつのメッセージの中に
相反するメッセージが内包されるコミュニケーションを、
ダブルバインドと言います。

ダブルバインドは、文化人類学や精神医学を研究した
グレゴリー・ベイトソンによって、
1956年に提唱された説です。

ダブルバインドメッセージは、
子供を自分に服従させるため
親子関係において、しばしば用いられます。

このような矛盾するメッセージを、
日常的に繰り返し経験すると、

やがて子供は他者からのメッセージに対して
常に疑心暗鬼になり、
ひどい場合には、
統合失調症に似た症状を呈するようになるそうです。


しかしこれは、何も親子関係に限った話でもなさそうです。

僕らの日常にもダブルバインド的なメッセージは溢れています。


例えば、
実習生が症例の家族関係を聴取していなかったときに、
担当バイザーから 
『なぜ、このようなミスをするのか。』 と詰問され、

それに対し実習生が、
『こういう理由でまだ聴取できていませんでした。』 
と答えれば、 
『じゃあなぜ、そんなかんたんなことが未だにできないんだ。』 
叱られる

ここでうっかり 『分かりません』 と答えようものなら、
バイザーからの更なる叱責が待っている。

だから、この場合の実習生の採る行動としては、
黙り込んでうな垂れ、
バイザーからの叱責にじっと耐える以外に
その場を凌ぐ方法はありません。

実習生を部下に、担当バイザーを上司に、
或いは、実習生を利用者に、担当バイザーをスタッフに、
それぞれ立場を置き換えてみると、

似たような場面は、日常的に存在してそうです。

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by hiro-ito55 | 2011-08-22 03:02 | 医療・福祉・対人支援 | Comments(0)

作業療法士です。日頃考えていることを綴ります


by いとちゅー