考える生き方のヒント       ~今、伝えたいこと~

hiroyan55.exblog.jp
ブログトップ

 消去法による目標設定 ~その2~

前回 『その1』 では、

『在宅や地域に 「共生機能集団」 としての 
「受け皿」 の機能が不足している現実があるにも拘らず、
僕の働く老健という職場のスタッフにも、
意外と 「利用者の自宅復帰」 に固執する人が多く、
そのような 「一元論的に絞った目標」 というものは、
意外と汎用性がないのではないか』 

ということを述べ、

『利用者が入所生活を送る中で、
「老健」 「自宅」 「特養」 「グループホーム」 
などといった選択肢の中から、 
「これはないな」 と思えるものをひとつずつ 「消去」 していく、
というやや 「後ろ向きな目標設定」 もひとつの手である』

ことを書きました。


今回はその続きです。



僕らの仕事というものは、個人的には、
利用者の 『したいこと』 よりも 『できること』 を提示して、
サービスを提供する機会が多いのではないかと思います。

また、利用者の日常での毎日を考えたとき、 
『今、自分にできること』 を、 『させてもらえる』 ということは、 
『生きていることをリアリティーとして感じられる』 
ということかもしれません。

そして、施設利用者の中には、
それだけで充分満足そうに見える人も、実は多くいたりします。

このことは、 
『今のままの自分を認めてもらえる』 という 『自尊心』 とも
無縁なことではないでしょう。

しかしそもそも、 
『できることしかさせてもらえない』 
という思いを抱かせてしまっては失敗ですので、 

『したいこと』 と 『できること』 のバランスを採る 
『さじ加減』 は最低限必要ですが、

個人的には、現実的な目標設定というものは、
この 『できること』 つまり 『自尊心』 に
根差したものであるべきだと思います。


そうでなければ、 
下手をすると 『今の自分を認めてもらえない』 という不安を、
最初の段階で、利用者に抱かせてしまうことにもなります。

そればかりか、
その不安を払拭するために
リハビリに依存する 『リハビリ依存症』 の利用者を、
スタッフ側から作り出すことにも繋がりかねません。

そして一旦、このようなサイクルに陥ってしまうと、
目標を修正するのは容易ではありませんし、
スタッフも利用者も、現実と折り合いをつけるために、
ついついお互いに無理をしてしまいがちです。


このようなボタンの掛け違いを避けるためにも、
前回の記事ような  『目標設定は消去法で』 という、
やや 『後ろ向きな目標設定の方法』 をお勧めします。


しかしもちろん、
大きな目標に向かってリハビリを頑張り続け、
それがうまくいって無事在宅に復帰する人がいるのも事実です。

ですので、その人たちの在り方まで否定するものではありませんが、 
『大きな目標あっての日常』 という観点も、
実は、ひょっとしたら僕ら若い世代が、
その若い時期に限定的に持つ価値観であるかもしれない、
とも思います。

もしそうであるならば、サービスを提供する際は、 
『そのような、世代特有の価値観に自分たちが立脚して、利用者を見ていないか』 
と疑ってみることも、
けして無駄ではないでしょう。


 (その3につづく......。)





[PR]
by hiro-ito55 | 2011-01-27 19:04 | 医療・福祉・対人支援 | Comments(0)

作業療法士です。日頃考えていることを綴ります


by いとちゅー